​八人のアダム外伝

(3)作品を構成する各要素について

21/05/02

私は創作のあらゆるジャンルにおいて完全にアマチュアである。

 

それにもかかわらず、とゆうかアマチュアゆえの無謀さゆえというか、外伝の制作にあたっては音楽作曲以外の要素は大体手を出したと思う。

というわけで、同じような立場の人の何か参考になるかもしれないので、以下は完全に素人の所感ではあるが、制作しながら感じたことを書き連ねていこうと思う。

(※以下、ちょこちょこネタバレします、未プレイの方はご容赦ください)

 

トピックは以下。

・シナリオ演出について

・音楽について

・グラフィックについて

 

・プログラムについて

 

・ゲーム性について


 

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【シナリオ演出について】

そもそも私がゲームを作るの一番強い動機は「自分のストーリーを形にしたい」だった。

 

だから、シナリオ演出は特に頑張ろうと思っていた。

ここで頑張らねば何のための制作なのかッ。

 

…んが、作りながら思った。

 

これはもう、なんという膨大な作業量だろう。

本当にめんどくさい。

もう、何なのって感じである。

 

宮崎駿が、アニメ映画を作りながらあーめんどくさいと言っている動画を見たことがある。

かの巨匠と比べるには太陽と豆電球ほどの違いがあるが、その気持ちはわかるような気がした。

 

例えば、本作の1イベントを例にしてみよう(ちょいネタバレです)。

 

5月1週に、シティに侵入者が入ってきてそれを退治する依頼が発生する。

相手は北東の3スターズが一機「レイファー」率いる自立式のスターズだ。

 

これをどう演出しよう、と考えて、こんな感じの演出に決まった。

 

・シティ内で連続で敵と戦う

・そこでは警備隊が初めての「援護」をしてくれる。

・敵のボスは初めてのバリアを持った敵であり、強敵を予感させる

・ボスを倒しても、その敵は逃げてしまう。この敵との決着はまだ先のようだ…

 

さあ、何が必要だろう。

 

まず、シティ内の戦闘グラフィックが必要だ。

せっせと作る。イメージに近い写真素材をネットで探す。

良さげなものを見つけたら、あとはひたすら、加工、加工、描く、描く、加工、描く…。

ペイントソフトのクリスタが活躍する。

次にシステム。

初めは戦闘が一回ごとに途切れ、文章で繋いでダラダラと次の敵、とやっていく感じだった。

 

だめだな、臨場感が出ない。何か特別な演出とシステムが必要だ。

そこで出てくるのが、本作の何だかよくわからない要素、「連戦」と「援護」である。

 

大量の敵とガンガン戦う演出がしたいなと思っていたので、「連戦」はいつか必要だろうな、と思っていた。

また、シティのランクを活かしつつもシティ全体で戦う感じを出したいので、「援護」も入れたかった。

 

さて、これを今すでにある戦闘コモン他にグリグリと挟み込んでゆこう。

 

「連戦」のフラグを作る。音楽が途切れない。味方は退場しない。敵が次に次にと出てくる。もとあったコモンが分岐で複雑化し、新たなコモンが必要になる。ボスになったら音楽が変わるようにする。テンション上がるべ?

でもうまくいかない。ここミスってるやんけ。またうまくいかない。なんか味方回復してない?それでもうまくいかない。どこ?どこなの?…。

 

青息吐息。

 

続いて「援護」だ。

ちょっとしたグラフィック演出も必要だろう。

私のグラフィックセンス(というか意欲)のなさが爆裂する援護の演出を作る。 

次にシステム面。シティのランクを取得。それに合わせて補正数値を設定。どういった援護があるかを作成、設定(※敵を攻撃する援護もほしかったのだけど、めんどくさくてやめました…)。

ランクに応じて所定ターンに演出が起こり、ランダムな補正が発生、味方に任意の補正値を加算してゆくことができました…。

 

もうボロボロだ。

 

次に、倒した敵が何らかの動きをする演出コモンを作成。

敵を再表示して、動かして、なんか会話して…。

 

できた。不恰好だけどできた。

 

えーと、何日かかった?

いや、何週間かかった…?

みたいな感じである。

 

これが、各所で延々と起こる。

 

出来上がると嬉しいのは確かだ。

だが、めんどくさい。何もかもめんどくさい。

 

だから、演出に必要なのは、

まずセンスよりも何よりも、めんどくさい作業に耐えられるかどうかなのだ

と今回私は思い知ったのだった。

 


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【音楽について】

 

音楽は最強の演出ツールだと思うし、ゲームと音楽は最強のタッグと言っていいと思う。

 

それぐらい、このゲームを作りながら音楽の力を思い知った。

 

プレイヤーの皆さんにとってどうだったのかはわからないが、私はEND1のラスボス音楽をAudiostockで見つけて、それを実際にラスボスのシーンで使ったとき、その相乗効果にビビった。

 

ものすごーくテンションが上がった。

この曲を最高に活かせるのは俺のゲームだ、とすらおこがましくも思った。

「これはもらったぜ!」と思った(何をもらったのかはわからないが)。

 

本作では魔王魂をはじめとした無料BGMもたくさんお借りしているが、少しはオリジナリティも出したいと思って、ロイヤリティフリーの作品をAudiostockで探し回った。

 

例を出すと、

通常ボス戦、強敵ボス戦、謎のボスの変身後の音楽、END1ラスボス、END1エンディング音楽などは、

全てAudiostockで見つけた音源である。

これらを使用するためには一曲につき数千円がかかるわけだが、演出のクオリティを上げるためには正しい選択をした、と思う。

私はRPGのボス戦が大好きだ。

その原点はFF4〜5とか、ロマサガ1〜3とか、メタルマックス2とか、スパロボFとか、ブレスオブファイア3だと思うが、どれも音楽がすごくカッコイイ。

ここまでやってきてよかった、と思えるような演出ばかり。

だから本作もかっこいい戦闘音楽を、と探した。

本作はピークを12月4週に持ってくることをすごく意識した。

それには良い楽曲が必須であった。

そして良い曲に出会えた。

これは幸運でしかない。

 

なお、良い曲を当てはめた時の最大の効果は、実は作者の制作モチベーションが上がることである。

完成に近づけるためには、良い曲と巡り会えるかどうかはとても大切なのだとしみじみ思う。

 

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【グラフィックについて】

 

グラフィックについては、もう反省ばかりというか、自分の力のなさを思い知るばかりだった。

私は、才能というものについては「何よりもまずそれを長時間できること」だと思うが、その点で言えば私はグラフィックの才能が、かなりない。

 

絵が嫌いなわけではない。瞬間的にはすごく好きである。

ただ、長時間それに従事することが、できない。

私がマンガから離れた理由もこれである。

 

本作では、多くのシーンは下書きのような絵でGoしてしまっている。

味のある絵というにはほど遠くおこがましいようなものがほとんどだ。

とはいえ、1枚1枚にそれなりに時間も手間もかけてはいる。

だが、単純に私の力量と調査と書き込みが足りない。

私の目は、これら下書きのような絵を長時間見るうちに、かすかな不快感を覚えつつも見慣れてしまい、

「まあ、これでいいか」

とGoを通すのだった。

 

グラフィックについて本作をプレイした人の受ける印象はどのようなものだったろう。

怖い。

グラフィックについては一番自信がない…。

だが、かと言ってじゃあ絵があるていど描ける人にグラフィックを任せたいかといえばなんとも言えないところで、本当に「この人だ!!」と思える人でない限りは任せることはないと思う。

 

私は、できれば私の物語を好いてくれてる人で、

かつ私もその人の描く人物その他を作品にピッタリですごく良いと思う、

そんな関係になれる人を、ずっと探している。


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【プログラムについて】

 

多くのゲーム製作者・ウディタ作者がそうであるように、私もまたプログラムに無知なままゲームを作り始めた。

 

外伝着手時のウディタのレベルでいうと、『花まるプリンセス』という作品を作ってはいたが、こちらではほとんどウディタの基本システムを使っていた。

 

逆に、外伝ではほとんどがオリジナルシステムだ。基本システムはセーブとか会話ウィンドウ以外はあまり使っていないと思う。

 

外伝のために作ったコモンイベントの数は370個ほどだが、

そのうち300個弱はシステムに関連したものである。

 

外伝制作の中で、システム作成に使った時間が最も多い。

たぶん6~7割はシステム関連の作業だったと思う。

 

私にプログラムやウディタの知識・経験が乏しいことを差し引いても、システム構築というのは大変な工数がかかるものだと思い知った。

 

制作の前半~中盤はなんでこんなことやっているのだろう、と自分を罵った。

グラフィックや演出に手間をかけたほうがいいだろう、と思いつつ、システムができてこないとなんかしっくりこないので、悪態をつきながらも作業を続けた。

 

だが、後半になると、下手なりに作業が早くなってくる。

自分で作ったシステムだから、どこに何があってどう差し込めば新しいシステムをつなげられるのかがだいたいわかるのだ。

 

これは万事飽きっぽい自分にとっては、ちょっとした脳トレみたいな感じでなかなか楽しかった。システム作業をやっているうちに、寝かせていた演出についていい感じのアイディアが湧くこともあって、気分転換の役目も果たしてくれたように思う。

 

まあでも、システムだのプログラムメインというのは自分には無理だなー…。

 

そして、これはとても大事なことだが、ウディタは使えば使うほど素晴らしいツールだと思う。

とてもユーザーにやさしいツールだ。製作者様の人柄なのだろう。

 

この作品もウディタだからこそできた作品だと思っている。

 

落ち着いたら少し投げ銭してきます。

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【ゲーム性について】

ゲームを作る以上はここが真髄なのだと思う。

 

シナリオも音楽もグラフィックもプログラムも、ゲーム性と共鳴させる必要がある。

が、だからといって私はゲーム性にこだわれたかというほどの自信はない。

それでも、作っているうちに多少のゲーム性がなければ飽きられるな、とはいつも思っていた。

 

そこで調整したのが、「依頼」「探索」「採掘」「訓練」「改造」の関係性だろうか。

ゲーム性とはおそらく欲望のループがうまくできているかどうかだろう。

人はすぐ飽きる生き物であるが、いろんな欲望がループすれば飽きを伸ばせる。

 

たぶんこの良い例がファッションで、

ファッションを楽しめる人は、自分を変化させる喜びを知っているのだろう。

(かくいう私は遠出しない限りは年中パーカーであるが…)

ともあれゲームにおいてプレイヤーの欲望を刺激するためには、

目の前にニンジンを、

その先にはうまそうな肉を、

そのさらに先には金塊を見せておくようなことが必要だと思う。

なお、私はRPGにおいては、成長する瞬間がとても好きである。

本作ではそれは「戦闘」や「訓練」におけるレベルアップや技能の習得、そして「改造」で得られる。

「改造」は多くの指摘があった通り、完全にスパロボである。私はスパロボに訴えられたら多分負ける。

(改造、楽しいですよね…、スパロボ大好き)

欲望の分析としては、結果としてこんなことを考えた気がする。

・戦闘が楽になるから改造をしたい。

・改造をするには金が要る。

・依頼を達成すれば金が入る。

・採掘でよいものを手に入れて売っても金になる。

・採掘の成果を上げるために目押しに集中しよう。

・あいつに技能を持たせたいな、訓練をしよう。(まじかよ、クロウがランダム技能で「連撃」を覚えやがった!)

​みたいに。

また、本作ではどうしても戦闘が多くなるので、

戦略性のために「位置」「技能」「覚醒」「敵バリア」「敵ダウン」といった要素を設けた。

全体攻撃は少ないので、多くのプレイヤーが途中でモルゴンの「ハンドバルカン」の有用性に気が付く。

結果としてこれらはそこそこうまくいったように思う。

難しかったが、ゲームバランスを考えるのは楽しかった。

​※次の記事はこちら。

(4)今後の八人のアダム外伝