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残るものは
18/11/11
昨日、友人の結婚式があった。
私は頼まれて披露宴用のウェルカムボードを描いた。
正直絵にあまり自信はないのだが、いい機会だと思ってせっせと描いた。
空が大部分を占める絵だ。
空らしさを出したくて、アクリル絵の具の青と白を混ぜては重ね塗りし続けた。
その空の青は、完璧な青にはほど遠い水色になった。
相方にも手伝ってもらいながら全体をどうにかこうにか形にして、搬入日に友人に渡した。
披露宴当日、会場入り口に飾られたその絵は、そんなに悪くないように見えてホッとした。
この水色の絵は、もし自分の身に何かが起きても、
友人宅の押し入れかどこかでしばらく残ることになるだろう。
そう思うと少し満たされるような気持ちがあった。
それにしても、結婚式というのは出席するまでは若干おっくうなものではあるが、
実際に行くとほぼ例外なく楽しく有意義なものである。
友人の勇姿は胸を打つものがあった。
新婦とそのご両親の姿も、家族の歴史を感じさせるものがあった。
懐かしい人たちとも会うことができた。
披露宴の食事もおいしかった。
挙式も、儀式に参加し、儀式を見届けたという感覚があって、祭祀というのは人間社会に不可欠なのだなあと思わせるものがあった。
更新の滞っている小説、『悪魔のロマンス』に必要な何かを教えてくれたような気すらした。
大学時代の女の子たちの知り合いの多くは、昔の笑顔のままお母さんになっていた。
時間は止まることなく流れている。
これらの余韻の中、少し呆然としつつ、
とにかくおめでとう。
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